2020年12月26日

鎌倉に伝わる伝説のまとめ(1/3)

鎌倉に伝えられている「伝説」について、鎌倉検定公式テキストブックには、17件の伝説が載っています。
これらを3回に分けて、まとめてみました。

第1回は、6件の伝説についてです。
@白鷺が導いた境内池・北条時宗が円覚寺を創建するときに、白鷺が導いたという伝説。
白鷺池_R.JPG・時宗が、元寇の死者を慰霊するために創建する新しい寺の適地が見つからないでいるときに、鶴岡八幡宮の神霊が白鷺に姿を変えて導き、舞い降りた北鎌倉の池が白鷺池だという。
(右:円覚寺白鷺池)
⇒「白鷺池のこと―鎌倉検定2014年1級の問題から見た鎌倉(41)
A諸国行脚を重ねた北条時頼・北条時頼の廻国伝説が、謡曲「鉢の木」。
・旅僧姿の時頼は、道に迷ったときに泊めてもらった際に、家主の秘蔵の鉢の木を薪代わりにしたもてなしと、後年の忠節ぶりに感激し、鉢の木にちなんで、梅田、松枝、桜井の各荘を領地として与えたという。
⇒「ふりかえり鎌倉―鎌倉の伝説(謡曲「鉢の木」の廻国伝説)
B建長寺三門(山門)再建を勧進した狸・三門再建に際し、狸が和尚に化けて勧進したという伝説。
建長寺三門_R.JPG・境内に住む狸が日ごろのお礼にと勧進しているさなか、籠かきに狸と見破られ、犬にかみ殺されたが、集めたお金は無事建長寺に送り届けられたという。
(右:建長寺三門)
⇒「ふりかえり鎌倉―鎌倉の伝説(寺院の三門再建を手伝った動物)
C夜毎に出歩く龍・常楽寺の仏殿天井絵「雲龍」が出歩くという伝説。
常楽寺雲龍図_R.JPG・狩野雪信が描いた雲龍が毎夜音を立てて出かけるため、出歩かないようにその両目を塗りつぶしたところ、音がしなくなったという。改めて眺めて見ると、目には瞳が描かれていない。
(右:常楽寺雲龍図)
⇒「2018年鎌倉検定2級の問題をpickupする(8)―お寺の美術品
D源実朝暗殺の舞台、隠れイチョウ・実朝がイチョウの陰に隠れていた公暁に暗殺されたという伝説。
鶴岡八幡宮イチョウ_R.JPG・実朝は右大臣拝賀の日、鶴岡八幡宮境内の大イチョウの陰に隠れていた兄頼家の子公暁に暗殺されたという。その時、剣持ち役の北条義時は、危機を察し、屋敷に戻っていたため難を逃れたという。
(右:鶴岡八幡宮イチョウ)
⇒「鎌倉検定−天変地異起こる(1219年1月27日)を読む(1)
Eどこも苦地蔵・瑞泉寺地蔵堂に祀られている地蔵菩薩に残されている伝説。
どこも苦地蔵_R.JPG・昔、扇ヶ谷にあった地蔵堂を守る堂守が、貧しさのあまり逃げ出そうとしたが、夢枕に現れた地蔵菩薩が「どこも、どこも」と告げたので、「苦しいのはどこも同じ」だと悟ったという。
(右:瑞泉寺どこも苦地蔵)
⇒「鎌倉二階堂のお寺を見る(錦屏山)


 
posted by トシ999 at 07:00| Comment(0) | 芸術・文化 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする