
令和4年度鎌倉観光文化検定試験は、開催する方向で準備が進められています。
今回は、海蔵寺に残る2つの「井戸」を見てみました。
1つは「底脱ノ井」、もう1つは「十六井戸」です。
◎海蔵寺の2つの井戸の場所

◎底脱ノ井(扇ガ谷)
・「鎌倉十井」のひとつで、海蔵寺の門前右側にあります。
※「鎌倉十井」とは
・鎌倉は古来より水に恵まれない土地であったため、質の良い水が湧き出す井戸は貴重な水源であった。 ・「鎌倉十井」とは、水質もよく美味で、伝説やいわれが残る代表的な十の井戸のこと。 ・江戸時代に鎌倉遊覧が盛んになり、名所旧跡を名数を使って紹介したのがはじまりといわれる。 |
・安達泰盛の娘が悟りを開いたという「底脱ノ井」
・「底脱ノ井」の名の由来は、室町時代、上杉家の女が、水を汲むと桶の底が抜け、その瞬間、悟りが開け、「賤の女がいただく桶の底脱けて ひた身にかかる有明の月」と詠んだからとも、鎌倉時代中期の武将で幕府の重臣だった安達泰盛の娘(幼名千代能)が水を汲んで桶の底が抜け、「千代能がいただく桶の底抜けて 水たまらねば月もやどらじ(ず)」と詠んだ歌によるともいわれています。 |
◎十六井戸(扇ガ谷)
・境内の南の隅の岩窟の中にあります。
・岩窟の中央に観音菩薩像と弘法大師像を祀っています。 ・窟底には16の丸穴が空いていて、それぞれに水が溜まっています。伝承によると、「金剛功徳水」と名付けられており病魔退散などの霊験があるとされています。 ・その数十六とは、十六(金剛)菩薩(薩・王・愛・喜・寶・光・憧・笑・法・利・因・語・業・護・牙・拳の各菩薩)を表現しているもので、その菩薩に供え捧げる水が閼伽という功徳水です。 ・また、井戸ではなく納骨穴とする説もあります。 |
・観音菩薩像
・弘法大師像
※嘉元四年(1306)の銘のある「阿弥陀三尊来迎図板碑」も奥壁左側にはまっていたが、現在は重要文化財として鎌倉国宝館に保管されています。
