2023年07月30日

鎌倉大町界隈の今は 2023.7

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鎌倉時代には、商業地域だった大町周辺の名所・旧跡を見てみました。
大町四つ角」から南の方向に、横須賀線の踏切まで歩きます。

※『吾妻鏡』建長3年12月3日条では、商業活動を行う場所として「大町・小町・米町・
  亀谷辻・和賀江・大倉辻・気和飛坂山上」の7か所を指定しています。

名所・旧跡の場所
  大町界隈.jpg

@「町屋址」の石碑
 ・町屋とは、道に面して軒を接して並ぶ商人や職人たちの家で、この辺りが鎌倉の商業地域の一つであったと見られます。
町屋址石碑1_R.JPG

町屋址石碑2_R.JPG
この辺りは、昔の鎌倉繁栄当時の商業地域であり、その中央の大路を大町大路と呼んでいました。

その他、米町、辻町、魚町、名越などの区域がありました。

それぞれの町屋のあった所と思われ、時々吾妻鏡に記載されています。

現在もその地名が残っています。

A鎌倉十橋の一つ「逆川橋(さかがわばし/さかさがわばし)」
 ・住宅地の中にある逆川は、大町・名越の奥から流れてきて、滑川に合流する川だが、名越から流れる川筋が屈曲して北上し、川の流れが逆行しているように見えます。
 ・普通は海に向かって南へ流れている流れが、再び山に向かって逆行するこの辺りに橋が架けられているので、「逆川橋」と呼ばれています。
 逆川橋1_R.JPG

 逆川橋2_R.JPG

 逆川橋3_R.JPG

B法華山本興寺(大町)
 ・1336年創建。日蓮宗。開基は天目。開山は日什。「日蓮辻説法の碑」が建てられている。
 ・徳川家康に寺領を寄進されたこともあるが、27世日徑が家康の怒りに触れ、処刑されたことなどから、廃寺となったが再興された。
 本興寺_R.JPG

 ・山門前の「日蓮大聖人辻説法之舊地」の石碑
 本興寺日蓮大聖人辻説法之舊地_R.JPG

 ・本堂前に、「サルスベリ」の大木がありますが、開花していません。
 本興寺本堂_R.JPG

 本興寺サルスベリ_R.JPG

C辻の薬師堂(大町)
 ・薬師堂には薬師三尊像及び鎌倉時代作の十二神将像が安置されていましたが、堂内の像は、現在は鎌倉国宝館へ移管されました。
 ・十二神将立像は、覚園寺の十二神将立像の原型といわれているとのことです。
 ※「戌神将」については、「鎌倉国宝館HPの収蔵品紹介」を参照。
 辻の薬師堂1_R.JPG

 辻の薬師堂2_R.JPG


※なお、この先の踏切を渡って、右手に行くと「元八幡(由比若宮)」があります。

 
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2023年07月29日

2022年鎌倉検定1級の問題から見る鎌倉(41)―龍口寺輪番八カ寺

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2022年11月に3年ぶりに行われた鎌倉検定の1級の問題から、鎌倉を振り返ってみましょう。

今回は、「龍口寺輪番八カ寺」についてです。
[5]次の各問いについて,指示にしたがって書きなさい。
  (41) 龍口寺輪番八カ寺のうち,鎌倉市内にある寺院をすべて書きなさい。     


 ・「龍口寺輪番八カ寺」:@本成寺 A勧行寺 B妙典寺 C東漸寺 D本龍寺 E法源寺
   F本蓮寺(藤沢市) G常立寺(藤沢市)の日蓮宗のお寺です。
 ※「龍口寺輪番八ヶ寺のこと−(2017年鎌倉検定1級の問題から)」を参照。

正解は、「本成寺、勧行寺、妙典寺、東漸寺、本龍寺、法源寺」です。

龍口寺輪番八カ寺
 ・日蓮ゆかりの「龍ノ口法難」の地に建立された龍口寺(藤沢)には、明治19年まで住職がいなかったことから、近隣の日蓮宗の八つの寺が順番に霊場を守っていました。
 ・それが「龍口寺輪番八カ寺」といわれる由縁です。

「龍口寺輪番八カ寺」の場所
  龍口寺各寺地図.jpg

「龍口寺輪番八カ寺」の一覧
・龍口山本成寺(腰越)
本成寺_R.JPG
・1309年創建。開山は日賢。もとは本覚寺末寺。
・本堂には本尊三宝祖師像と日蓮上人像、境内には稲荷明神が祀られています。
・龍口山勧行寺(腰越)
勧行寺_R.JPG
・1303年創建。開山は日実。
・漁師の若者が海中から釣りあげたといわれる「海中出現文殊菩薩像」は、毎年10月の大祭に開帳されます。
・龍口山妙典寺(腰越)
妙典寺_R.JPG
・1308年創建。開山は日蓮の弟子、天目。
・谷戸の奥の岩山を切り開いた地に建つ寺で、かつては「腰越の谷戸寺」と呼ばれていました。
・本尊は三宝祖師像で、日蓮像とともに祀られています。
・龍口山東漸寺(腰越)
東漸寺_R.JPG
・1352年創建。開山は日東。
・「薬医門」という様式の山門は、龍口寺の門前で饅頭屋を商う店の主人が妻の菩提を弔うために寄進したもの。
・境内に日本薬学の基礎を築いた「長井長義博士夫妻の記念碑」が建っています。
・龍口山本龍寺(腰越)
本龍寺_R.JPG
・1302年創建。開山は日行。龍口寺輪番八ヶ寺のうち、最も早い時期に建立されました。
・日行は、「法源寺」を開いたとも伝えられ、本龍寺とは「兄弟寺」に当たります。
・比企三郎高家の屋敷跡に建立されたと伝えられ、境内に墓所もあります。
・本堂には、雨乞いの日蓮上人像や、大黒天、鬼子母神などが本尊の大曼荼羅とともに祀られています。
・龍口山法源寺(腰越)
法源寺_R.JPG
・1318年創建。開山は日行。本尊は三宝祖師像。
・常栄寺(大町)とともに「ぼたもち寺」と呼ばれています。日蓮のぼたもち伝説に登場した桟敷の媼の実家の菩提寺であったそうです。
・龍口山本蓮寺(藤沢市)
本蓮寺_R.JPG
・595年創建。1400年以上の歴史を持ち、源頼朝、日蓮、西行、宗尊親王にゆかりのある歴史的な古刹です。
・境内に、「宗尊親王の歌碑」が建立されています。
・龍口山常立寺(藤沢市)
常立寺_R.JPG
・1532年創建。枝垂れ梅の名所。
・文永の役の翌1275年、元の使いとして杜世忠ら5人が送られてきたが、捕えられて龍ノ口で処刑されました。
・境内に「杜世忠らの墓(五輪塔)」が建立されています。


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2023年07月28日

2022年鎌倉検定1級の問題から見る鎌倉(40)―鎌倉十井

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2022年11月に3年ぶりに行われた鎌倉検定の1級の問題から、鎌倉を振り返ってみましょう。

今回は、「鎌倉十井」についてです。
[5]次の各問いについて,指示にしたがって書きなさい。
  (40) 鎌倉十井のうち,〔      〕 にあてはまるものを5 つ書きなさい。           
   泉ノ井,扇ノ井,銚子ノ井,瓶ノ井,棟立ノ井,〔      〕

・鎌倉十井の残り5つです。
 ※鎌倉十井は、「鎌倉十井についてのまとめ」を参照。

正解は、「甘露ノ井、鉄ノ井、底脱ノ井、星ノ井(星月ノ井)、六角ノ井(矢の根ノ井)」です。

鎌倉十井
 ・鎌倉は古来より水に恵まれない土地であったため、質の良い水が湧き出す井戸は貴重な水源であった。
 ・十井とは、水質もよく美味で、伝説やいわれが残る代表的な十の井戸のこと。
 ・江戸時代に鎌倉遊覧が盛んになり、名所旧跡を名数を使って紹介したのがはじまりといわれる。

鎌倉十井の場所
 鎌倉十井1_R.jpg

 鎌倉十井2_R.jpg

 鎌倉十井3_R.jpg

 鎌倉十井4_R.jpg

 鎌倉十井5_R.jpg

鎌倉十井
 collage鎌倉十井.jpg
※「六角ノ井」は、平成30年の台風で屋根が壊され、現在建屋は建っていません。

 
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