
今回は、「鎌倉の国宝の仏像について」です。
【設問】
@彫刻としては鎌倉唯一の国宝であり、民衆の浄財で完成したといわれる仏像がある寺はどこか。 A鎌倉で唯一国宝に指定されているこの仏像の正式名称は何か。 Bこの寺の境内の奥には、この仏像を詠った歌碑があるが、だれの歌碑か。 |
【解答と解説】
@高徳院
A銅造阿弥陀如来坐像
B与謝野晶子
◎大異山高徳院清浄泉寺(長谷)
・浄土宗。開山、開基ともに不明。
<高徳院の境内図>
<高徳院の「仁王門」>
<鎌倉大仏:国宝「銅造阿弥陀如来坐像」の春と秋>
・北条泰時の時代に、僧浄光が諸国を勧進して浄財を集め、1238年に造り始め、1243年に大仏開眼が行われました。この時、建立した大仏は木造でした。 ・その後、1247年、大風で倒壊したため、1252年に現在の青銅像が鋳造され、大仏殿に安置されました。 ・『鎌倉大日記』:明応4年(1495)に津波で大仏殿が流されたという。 ・『妙法寺記』:明応7年(1498)に津波で大仏殿が流されたという。 ・しかし、万里集九が、文明18年(1486)10月に鎌倉を訪れた時に、すでに大仏は露座であったと『梅花無盡蔵』に記しています。 |
◎与謝野晶子(1878〜1942年)
・歌人。与謝野鉄幹(寛)の妻。雑誌「明星」で活躍。
・歌集『みだれ髪』が反響を呼び、明治浪漫主義に新時代を開きました。
・たびたび鎌倉を訪れ、多くの歌を詠みました。
<高徳院境内奥に建つ「与謝野晶子の歌碑」(1952年建立)>
「かまくらや みほとけなれど釈迦牟尼は 美男におはす 夏木立かな」
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