
今回は、「今泉にある寺院の2つの滝の伝説について」です。
【設問】
@今泉でお祈りをし、寺院の2つの滝、男滝と女滝を掘り、水の少ない村の人々を救済したという伝説が残る僧侶はだれか。 Aこの僧侶は、何に対して祈ったとされるか。 Bこの伝説がある寺院はどこか。 |
【解答と解説】
@空海(弘法大師)
A不動明王
B(今泉山一心院)稱名寺
◎今泉山一心院稱名寺(今泉)
・浄土宗。1175年創建。開山は空海(弘法大師)。「今泉不動」の名で親しまれています。 ・本尊は阿弥陀如来。鎌倉幕府の歴代の将軍たちの信仰を集めた寺。 ・この地に導かれた弘法大師が、岩肌をうがったところ湧き出たと伝わる男滝と女滝があります。 ・今泉不動堂の右手に不動明王のもう一つの姿である大日如来の石像が置かれています。 ・1693年、江戸増上寺の貞誉大僧正から山号寺号を請け、現在の浄土宗寺院としての基礎が確立されました。 |
<稱名寺の「拝観入口」と「境内案内図」>
<「本堂」と、その隣に建つ「弁天堂」>
<不動堂へ向かう石段を上る前に、右に下ると「陰陽の滝」があります>
<「陰陽の滝の石碑」と、右側の2筋の滝が「男滝」、左側に「女滝」>
<石段を上ると、「不動明王」が祀られている「不動堂」があります>
<不動堂の後ろに、不動明王の従者「三十六童子」と、「大日如来の石像」>
<男滝と女滝の伝説>
・昔、空海(弘法大師)が諸国を修行中、この地に導かれて山奥に来ると、突然、目の前に仙人が現われて、ここに不動明王を彫って祀るようにと命じました。 ・そこで空海は、仙人の言葉に従って不動明王と大黒天を彫りました。 ・何日か経って再び仙人が現われ、水に困る村人達を救うようにと命じました。 ・そこで空海は、岩肌に二つの穴をうがったところ、水が湧き出し、「不動の滝(男滝と女滝)」となり、滝のおかげで村人達は救われたという伝説があります。 |
※今泉(いまいずみ)の地名について
・諸国を遍歴していた空海(弘法大師)が、この地の奥の金仙山に住んでいた仙人のお告げにより、岩肌に二つの穴を掘りました。 ・そこから水が湧き出し、金仙山を今泉山(こんせんざん)と記すようになり、「いまいずみ」が土地の名前となりました。 ・なお、今泉の鎮守は、白山神社です。 |