
今回は、「夏目漱石」が鎌倉に残した足跡を見てみました。
◎夏目漱石(1867年(慶応3)〜1916年(大正5))
・小説家。門下生には、芥川龍之介や久米正雄がいます。 ・代表作品には、「吾輩は猫である」、「坊ちゃん」の他、三部作「三四郎」、「それから」、「門」など数多くの作品があります。 ・1894年(明治27)、円覚寺塔頭「帰源院」に止宿し、老師・釈宗演のもとで参禅しました。 ・結局、悟りを得られずに寺を辞するが、このときの体験は、1910年(明治43)に「東京朝日新聞」「大阪朝日新聞」に掲載された小説『門』や『夢十夜』に生かされました。その後、鎌倉に滞在し、『こころ』などの作品に鎌倉を登場させています。 |
<帰源院境内の漱石の句、「佛性は 白き桔梗に こそあらめ」の石碑>
・漱石は、仏としての本性を自身の中で模索していたが悟ることができず、凛として
咲いている真っ白な桔梗にそれがあるのだと感じたようです。
この句にちなんで、白いキキョウが植えられています。
<東慶寺門前の「夏目漱石参禅百年記念碑」(1994年(平成6)建立)>
・漱石は、1894年(明治27)に円覚寺帰源院で釈宗演に参禅しました。
・後の1912年(大正元)、東慶寺に釈宗演を再訪しました。
・碑の上段に釈宗演の書簡、下段に夏目漱石の文「初秋の一日」が刻まれています。
<建長寺梵鐘に関わる「夏目漱石の俳句」>
・「鐘つけば 銀杏ちるなり 建長寺」(1895年(明治28)作)
<円覚寺を詠んだ句が記された「鎌倉文学館の外灯碑」>
・「冷やかな 鐘をつきけり 円覚寺」(1897年(明治30)作)