2022年01月07日

鎌倉円覚寺仏殿の天井絵「白龍図」のこと

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鎌倉検定に向けて、鎌倉散策で気づいたワンポイントを紹介していきます。

円覚寺仏殿の白龍図
 ・「大光明寶殿」の扁額を掲げた仏殿に本尊「宝冠釈迦如来坐像」が祀られています。
 ・その仏殿の天井には、「三爪の白龍図」が描かれています。
 ・この「白龍図」は、「前田青邨」画伯監修、「守屋多々志」画伯揮毫の作品です。
 円覚寺仏殿_R_R.JPG

 円覚寺宝冠釈迦如来坐像_R.JPG

 円覚寺白龍図_R.jpg


龍の爪の本数について
・中国では「五爪の龍」は皇帝しか使うことしかできないので、伝統的な日本の龍の絵は、三爪で描かれてきました。
・画家小泉淳作の描いた建長寺法堂の雲龍図は、本来の爪の数として「五爪の龍」となっています。 
・円覚寺仏殿の白龍図は、「三爪の龍」となっています。


監修者「前田青邨」について
 ・前田青邨(1885〜1977年):歴史画の名手。弟子には平山郁夫等。
 ・円覚寺の向かい東慶寺には、「前田青邨夫妻の墓」と「前田青邨筆塚」があります。
東慶寺に建つ「前田青邨夫妻の墓」
 前田青邨墓_R.JPG

遺族、門下生らによって建立された美しい十三重石塔の「前田青邨筆塚」
 ・前田青邨の命日(10月27日)に、毎年筆塚にて筆供養が行われています。
 ・前田青邨は若き頃、夏目漱石ら文人に影響を与えた釈宗演の指導を受けました。
 前田青邨筆塚_R.JPG

前田青邨の代表作の「洞窟の頼朝」(2010年、国指定重要文化財に指定)
 ・郵便切手の図柄にもなっていました。
 切手洞窟の頼朝.jpg

 
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2021年10月01日

鎌倉の景観重要建築物等の今は 2021.10

鎌倉の景観重要建築物等が新たに1件指定されました(2021年9月2日)。

 鎌倉検定公式テキストブックに記載されている「芸術・文化」章の中から、「鎌倉の景観重要建築物等」について、紹介していますが、今回、新たに「萬屋本店」が、「景観重要建築物等」(第37号)に指定されました。

 先に、「鎌倉の景観重要建築物等のまとめ(改訂版) 2020.10」では、全33件と紹介しましたが、「34件」となりました。

 ※「景観重要建築物等」については「鎌倉市HP:景観重要建築物等」を参照。

萬屋本店(長谷):指定第37号 令和3年9月2日
<鎌倉市広報資料より抜粋>
・1926年(大正15)建築。
・由比ガ浜通り沿道南側の敷地に、ほぼ真北を正面として建つ切妻平入りの出桁造りの本二階建であり、鎌倉における戦前の町家を代表するものの一つ。
・現在はレストラン・ウェディング会場として利用されており、そのファサードには新しい暖簾が掛けられています。いまだ長谷界隈を散策する人々の足を一度は止めさせる力をもっており、この地区の景観形成に大きく寄与しています。

 ※現在の様子は、「萬屋本店HP」を参照。

萬屋本店の外観:鎌倉市発表資料より
 萬屋本店.jpg

鎌倉市景観重要建築物等の一覧:全34件
@鎌倉文学館(長谷)       A伊藤邸(旧望洋楼)(大町)
B篠田邸(旧村田邸)(由比ヶ浜) C寸松堂(笹目)
D日本基督教団鎌倉教会会堂(由比ヶ浜)
E日本基督教団鎌倉教会付属 ハリス記念鎌倉幼稚園(由比ヶ浜)
Fかいひん荘鎌倉(由比ヶ浜)   G石川邸(旧里見ク邸)(西御門)
H川合邸(雪ノ下)        I鎌倉聖ミカエル教会聖堂(小町)
J鎌倉市長谷子ども会館(旧諸戸邸)(長谷)   K白日堂(長谷)
L小池邸(大船)         M石島邸(雪ノ下)
N旧安保小児科医院(御成町)   O旧村上邸(西御門)
P旅館対僊閣(長谷)       Q笹野邸(佐助)
Rのり真安齋商店(長谷)     S三河屋本店(雪ノ下)
㉑東勝寺橋(小町)        ㉒檑亭(鎌倉山)
㉓湯浅物産館(雪ノ下)      ㉔去来庵(山ノ内)
㉕ホテルニューカマクラ(御成町) ㉖平井家住宅・長屋門(城廻)
㉗旧華頂宮邸(浄明寺)     ㉘野尻邸(旧大佛次郎茶亭)(雪ノ下)
㉙加賀谷邸(長谷)        ㉚極楽洞(極楽寺)
㉛旧神奈川県営湘南水道鎌倉加圧ポンプ所(長谷)㉜旧三橋旅館蔵(長谷)
㉝猪熊邸(旧武基雄自邸)(極楽寺) ㉞萬屋本店(長谷)


景観重要建築物等の場所
 景観重要建築物等の地図34_R.jpg

※「景観重要建築物等」とは
・鎌倉市は、鎌倉の保養別荘地時代の風情をしのばせる洋風や和洋折衷の建築物、和風商家などを、「景観重要建築物等」と指定し、保存活用を支援・保護する制度を設け、古都鎌倉の独特の町並みを保存しています。
 (現在、全34件)

 
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2020年12月28日

鎌倉に伝わる伝説のまとめ(3/3)

鎌倉に伝えられている「伝説」について、鎌倉検定公式テキストブックには、17件の伝説が載っています。
これらを3回に分けて、まとめてみました。

第3回は、残りの5件の伝説についてです。
L源翁禅師の殺生石伝説・源翁禅師によって殺生石が打ち砕かれ、災いも止まったという伝説。
海蔵寺境内_R.JPG・天皇を病にした玉藻前(狐の化身)が射殺され、その霊が石(殺生石)と化し災いをもたらしたが、海蔵寺の開山、心昭空外(源翁禅師)の一撃により砕け散り、災いも止まったという。
(右:海蔵寺境内)
⇒「ふりかえり鎌倉―鎌倉の伝説(源翁禅師の殺生石)
M頼朝の夢枕に立つ神霊・源頼朝の伊豆挙兵を助けた神霊が、佐助稲荷だという伝説。
佐助稲荷鳥居_R.JPG・伊豆に流されていた頼朝は、病床の枕元に現れた「かくれ里の稲荷」の神霊に挙兵を進められ、後に幕府を開くと、その神霊に感謝して佐助ヶ谷の祠を見つけ佐助稲荷を再興したという。
(右:佐助稲荷鳥居)
⇒「鎌倉ゆかりの人物―源頼朝のあれこれ
N隠れ里に湧く霊水・源頼朝が、洞窟の中の泉を見つけ、宇賀福神を祀ったのが銭洗弁財天宇賀福神社だという伝説。
銭洗水_R.JPG・巳年巳の月巳の日巳の刻、頼朝は、夢に現れた宇賀福神に神泉の水による世の繁栄のお告げを受けて洞窟の泉を探し、そこに宇賀福神を祀り、後に北条時頼がこの水で銭を洗うことを勧め、人々はその行いにより幸福利益を得たという。
(右:銭洗弁財天宇賀福神社銭洗水)
⇒「源頼朝や北条時頼にまつわる神社のこと−(2018年鎌倉検定1級の問題から)
O三浦の浜に流れついた観音像・相模国の浜に流れついた観音像で開山したのが長谷寺だという伝説。
長谷寺観音堂_R.JPG・徳道が楠の霊木から作った二体の観音像のうち、一体は奈良長谷寺に安置し、もう一体は海に流したが、像は相模国の浜に流れつき、現在地に遷されて開山したのが鎌倉長谷寺だという。
(長谷寺観音堂)
⇒「ふりかえり鎌倉―鎌倉の伝説(三浦の浜に流れついた観音像)
P龍神に祈った新田義貞・新田義貞は、龍神に祈り、鎌倉に攻め入ることができたという伝説。
稲村ヶ崎_R.JPG・義貞は鎌倉攻めで、稲村ヶ崎から侵入できないでいたが、腰に差していた黄金造りの太刀を海に投げ龍神に祈ったら、潮が引いて干潟を渡り、鎌倉へ攻め入ることができたという。
(稲村ヶ崎)
⇒「鎌倉ゆかりの人物―新田義貞のあれこれ


 
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