
今回は、鎌倉の名産の一つ「鎌倉彫」についてです。
江ノ電鎌倉駅構内で、現代の作品が見られます。
◎鎌倉彫
・鎌倉に禅宗寺院が建立され、造仏のために奈良から来た仏師たちが、「宋文化」に影響された須弥壇や前机、香合などの什器類も作り、それが鎌倉仏師にも受け継がれていきました。 ・運慶の子の「康運」が、宋の工人「陳和卿」の持ってきた彫漆工芸を真似て仏具を作ったのが最初と考えられています。 ・鎌倉彫は、「茶道」の普及によって茶入、香合、香盆などの茶道具も「鎌倉物」として珍重され、江戸時代には、茶器、硯台など身近の調度品も作られるようになりました。 |
※鎌倉彫の原型とされているもの
・「建長寺の須弥壇」、「円覚寺の開山堂の前机」
<江ノ電鎌倉駅構内に掲示されている「鎌倉彫作品」>
<現在の鎌倉彫の仏師の流れ>
・現在、鎌倉仏師の流れを受け継いでいるのは、「三橋家」と「後藤家」です。 ・昭和に入り、鎌倉彫が今日のように広く普及する活動を担った一人に、「後藤俊太郎」がいます。 代々の鎌倉彫の伝統を引き継いで、祖父運久の後を継ぎ、当主となり、「鎌倉彫会館」設立や鎌倉彫の伝統的工芸品の指定に尽力しました。 |
<「鎌倉彫再興碑(扇ガ谷)」:1979年(昭和54)建立>
・後藤俊太郎によって、明治の鎌倉彫先駆者を顕彰する碑が建てられています。
<作品展示や鎌倉彫の歴史、体験学習などが行われる「鎌倉彫会館(小町)」>
・1階のカフェスペースで鎌倉彫の器で喫茶、食事が楽しめます。

<鎌倉彫の彫師・佐藤宗岳の店舗併用住宅の「寸松堂(由比ヶ浜)」>
・景観重要建築物等指定第4号 平成4年2月1日

<鎌倉彫の工房兼住宅として建てられた「白日堂」(長谷)>
・景観重要建築物等指定第13号 平成8年3月1日
・展示されている鎌倉彫作品
