
鎌倉検定過去問を振り返り、鎌倉を楽しむ回として情報をお届けします。
今回は、「
鎌倉ブランドの水産物について」です。
【
設問】
@江戸時代、毎年5月に最初に獲れたものが鶴岡八幡宮に奉納されるなど人気を博し、山口素堂や松尾芭蕉の俳句に詠まれるなどした水産物は何か。 Aこの鎌倉の水産物は、どのような漁法で獲れるか。 B由比ヶ浜沖の刺し網漁で水揚げされ、江戸時代には関東近辺だけでなく関西でも珍重された「鎌倉ブランド」の一つとなっている水産物は何か。 |
【
解答と解説】
@カツオ
A小型定置網
Bエビ◎
鎌倉のカツオ・14世紀に著された『徒然草』に、「鎌倉の海で揚がるかつおという魚は、昔はたいした魚でもなかったのに、このごろは上等な魚になっている」と書かれています。(『徒然草』119段) ・鎌倉で獲れるカツオは、中世のころから広く知られていました。
・江戸時代になると、初ガツオといえば鎌倉で獲れたものが、江戸で最も人気を集めていました。 ・俳人、山口素堂が、「目には青葉 山ほとゝぎす はつ松魚」と詠んだ句があります。この句には「かまくらにて」という前書があります。
・松尾芭蕉が、「鎌倉を 生きて出でけむ 初鰹」と詠んだ句があります。 初鰹は初夏の季語。鎌倉を生きたまま出荷された初鰹の活きのよさを詠ったものです。
・5月に最初に獲れたカツオは、鶴岡八幡宮に奉納されました。 今でいう高級ブランドで、江戸の人たちに中には、その日のうちに運ばれてくるのを待ちきれずに、沖に出て鎌倉から来る船を待うけ、カツオを高く買い付ける人もいました。 |
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鎌倉文学館にある「松尾芭蕉の句碑」>

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漁法は、「小型定置網漁」によります>
・現在もソウダガツオなどカツオ類が水揚げされています。
・この漁法は、沿岸を回遊する魚をさえぎる「垣網」と、それに沿って誘導された魚が
入る「身網(袋網)」を設置して魚を獲る「待ちの漁」。
※漁法の図は、「
ココ」を参照。
◎
鎌倉のエビ・江戸時代には、鎌倉沖で獲れるエビは、関東近辺だけでなく関西でも「鎌倉エビ」と呼ばれていました。
・同様に伊勢で獲れるエビは、「伊勢エビ」と呼んでいたが、鎌倉エビの水揚げ量がめっきり減り、いつの間にか伊勢エビが通称になってしまったということです。 ・由比ヶ浜沖の漁で水揚げされる鎌倉エビは、天然の地元産として貴重です。 |
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漁法は、「刺し網漁」によります>
・この漁法は、魚の通り道に網を仕掛けてからませて獲る、古くからの漁法。
※漁法の図は、「
ココ」を参照。
posted by トシ999 at 08:00|
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