2019年10月05日

ふりかえり鎌倉―春の観光行事(鎌倉検定:行事編(4))

鎌倉検定過去問を振り返り、鎌倉を楽しむ回として情報をお届けします。

今回は、「春の観光行事について」です。
設問
@毎年4月第2日曜日から行われ、初日には鶴岡八幡宮の舞殿において「静の舞」が催される、鎌倉を代表する観光行事を何というか。
Aこの観光行事で、「静の舞」が行われる場所は鶴岡八幡宮のどこか。
B春には提灯が点され、夜桜も楽しめる若宮大路の二の鳥居から三の鳥居までの約500メートルの参詣路を特に何というか。

解答と解説
@鎌倉まつり
A下拝殿(舞殿)
B段葛


鎌倉まつり
・4月の第2日曜日から第3日曜日まで。
鎌倉市観光協会主催で、1959年(昭和34)から続いている鎌倉を代表する観光行事。
・初日には、若宮大路で市内各所の神輿などが参加する行列巡行と、鶴岡八幡宮「舞殿」で「静の舞」が行われ、最終日には武田流司家により勇壮な流鏑馬が行われます。

静の舞(於:舞殿)
源頼朝は、平家討伐を成し遂げた弟義経と不仲になり、義経追討の兵を挙げます。義経はとともに吉野山に逃れますが、ここで義経は静と別れて逃亡を続けます。やがて静は捕らえられ、鎌倉へ送られて来ます。

・頼朝は静に鶴岡八幡宮「若宮回廊」で舞を舞うように命じ、1186年、静は義経をしのんで詠い舞を舞います。
 「よしの山 みねの白雪ふみ分けて いりにし人の あとぞこいしき
 「しづやしづ しづのをだまきくりかえし 昔を今に なすよしもがな

・しかし、頼朝は、幕府を称えることなく義経を慕う歌を詠い舞うのに怒ります。それを見た北条政子は、かつて自分も頼朝を思い慕った気持ちを教え諭して、頼朝の怒りをなだめます。その結果、頼朝は静に褒美を与え許します。

工藤祐経は、京で身につけた文化的教養にて重用され、鼓を打ちました。
畠山重忠は、音楽的にもすぐれた才能を示し、銅拍子を担当しました。

 静の舞1.JPG

 静の舞2.JPG

段葛(若宮大路)
若宮大路の中央に造られた参詣道。段葛と呼ばれるようになったのは、江戸時代以降のことです。

・『吾妻鏡』などによれば、1182年、妻政子の安産を祈願して、源頼朝が北条時政ら武将に命じ、若宮大路とともに造営したと推定されています。

・当初の様子は定かではないが、のちになって「かつら石」を置いて若宮大路の通りよりも高いところに造ったことから、置路、置石、作道と呼ばれ、今でも置石の地名が残ります。

・江戸時代末には現在の下馬四ツ角までとなり、さらに明治期になって横須賀線の開通で姿を変え、現在は二の鳥居から鶴岡八幡宮前の三の鳥居までの約500mほどです。

 段葛二の鳥居.jpg

 段葛.jpg

 段葛1.jpg

二の鳥居の端にある「段葛の石碑」
段葛の石碑.JPG段葛は、置石ともいいます。

寿永元年(1182年)3月に、頼朝は、妻の政子の安産を祈願して、鶴岡八幡宮の社頭より由比ヶ浜の大鳥居の辺まで、この参道を築いたものです。

その土石は、北条時政をはじめ、源氏家の諸将が運搬にあたりました。

明治はじめに、二の鳥居から南の方の道が無くなりました。


 
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2019年10月03日

ふりかえり鎌倉―冷水を浴びる2月の寒中荒行の行事(鎌倉検定:行事編(3))

鎌倉検定過去問を振り返り、鎌倉を楽しむ回として情報をお届けします。

今回は、「冷水を浴びる2月の寒中荒行の行事について」です。
設問
@前年11月から千葉県の道場で「寒の荒行」を積んだ修行僧が、最後の水行を行い一連の修行を満了する行事が行われる寺はどこか。
A千葉県の道場で行われる「寒の荒行」は、何日の間積む修行か。
B2月11日に行われるこの行事を何というか。

解答と解説
@石井山長勝寺
A100日
B大國禱会成満祭


石井山長勝寺(材木座)
 ・日蓮宗。1263年創建。
  日蓮に帰依していた石井藤五郎長勝が、流されていた伊豆から鎌倉に戻った日蓮の
  ために結んだ庵が寺の起源。
長勝寺の「案内板」と「山門」
 長勝寺案内板.jpg

 長勝寺山門.JPG

鎌倉の冬の風物詩の一つ「大國禱会成満祭」:2月11日
・前年の11 月から千葉県の中山法華経寺の道場にこもり、100日の間「寒の荒行」を積んできた修行僧が、最後の水行で満了を示す行事です。

・白い行者姿の僧が、うちわ太鼓に導かれて水行場に向かい、褌姿になって寒風の中、大声で経文を唱えながら頭から冷水をかぶり、国の安泰、世界の平和を祈念します。

 大國禱会成満祭1.JPG

 長勝寺井戸.JPG

 大國禱会成満祭2.JPG

 
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2019年09月29日

ふりかえり鎌倉―白山神社の1月の行事(鎌倉検定:行事編(2))

鎌倉検定過去問を振り返り、鎌倉を楽しむ回として情報をお届けします。

今回は、「白山神社の1月の行事について」です。
設問
@毎年1月8日に、今泉にある白山神社で行われる毘沙門天の使いを模したものが奉納される祭りを何というか。
Aこの毘沙門天の使いを模したもので、神社の守護虫とされるものは何か。
Bこの白山神社を創建したとされる人物はだれか。

解答と解説
@大注連祭
A大百足(ハガチ)
B源頼朝


白山神社(今泉)
・今泉の鎮守。祭神は、菊理姫之命(くくりひめのみこと)。
 1191年、「源頼朝」が創建。
・京都の鞍馬寺を詣でた頼朝が、「行基」作といわれる毘沙門天像を賜り、この地に勧請したという。
 その後、幾度か再建・修復を重ね、明治以降、村の氏神となりました。

・1月8日の「大注連祭(おおしめまつり)」は、神社の守護虫とされる「大百足」(ハガチ)を模した約7メートルの注連縄が奉納され、その年の豊作と日々の安寧が祈願されます。

 大注連祭.JPG

 白山神社ムカデ.JPG

 毘沙門天ののぼり.JPG

参道入口にある「酔亀亭天広丸の歌碑」
・参道入口に、江戸時代の狂歌師「酔亀亭天広丸(すいきていあめのひろまる)」の歌碑が建っています。
 天広丸は18世紀の半ば、この地区に生まれました。

 白山神社参道.JPG

 ・「くむ酒は 是風流の 眼なり 月を見るにも 花を見るにも  廣丸」
 酔亀亭天広丸の歌碑.JPG

 
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